ライフプランニングの考え方
- Step 1顧客との関係確立とその明確化
顧客自身が最終的な決断をする必要があること、FPはそのための助言や補助をする立場であることを明確にする。
- Step 2顧客データの収集と目標の明確化
顧客のプロフィール、目標・希望をヒアリングします。口頭やヒアリングシートなどを用いて情報を収集します。
- Step 3顧客のファイナンス状況の分析と評価
これまで収集した情報をもとに、現状の把握と問題点、つまり希望とのギャップを分析します。
- Step 4プランの検討・作成
問題の原因を特定し、顧客の希望を実現するための対策案を検討、再評価し効果を示します。
- Step 5プランの実行援助
対策案の実行を支援します。ここでは、FPのネットワークを活用して、各種専門家と連携して具体的な商品の提案を行うことも考えられます。
- Step 6プランの定期的な見直し
作成したプランを定期的に、少なくとも年に1回は見直す必要があるでしょう。(Step 2に戻る)
ライフプランニングに用いるツール
ライフプランニングを行うにあたり以下のようなツールが有用です。
ライフイベント表
顧客およびその家族の将来の予定、希望する計画を時系列に一覧化したものです。これにより各種イベントに必要な費用を数値化し、いつ、何に、どれくらいかかるのかを把握することができるようになります。
キャッシュフロー表
現在の収支状況と今後のライフプランを基に、将来の収支状況を予想し、貯蓄残高の推移を時系列に一覧化したものです。これにより家計の現在の年間収支、将来の年間収支および貯蓄残高の推移を俯瞰することができるため、顧客のライフプランが資金面から実現可能かを判断する材料とすることができます。
個人バランスシート
ある時点での家計の資産と負債の状況を表したものです。これにより家計における資産を時価で把握し、資産の構成を把握することができるようになります。
6つの係数
上記のツールを作成する際に、時価を算出するために使用する便利な係数として下記に挙げる6つの係数が活用できます。
終価係数
現在のお金を複利で運用した場合、〇年後にいくらになっているか?を計算するための係数です。
使用例:
現在手元にある現金100万円を年利1.0%の複利で10年間運用する場合、10年後の元利合計はいくらか?
現価係数
〇年間にわたり複利で運用して目標金額を達成するためには、現在いくら必要か?を計算するための係数です。
使用例:
10年後に1,000万円を準備したい。年利1.0%で複利運用する場合、今いくら必要か?
年金現価係数
〇年間にわたり目標の金額を定期的に受け取るためには、現在いくら必要か?を計算するための係数です。
使用例:
10年間にわたり毎年100万円の年金を受け取りたい。運用利回り5%の場合、今いくら必要か?
年金終価係数
〇年間にわたり複利で積み立て運用した場合、〇年後にいくらになっているか?を計算するための係数です。
使用例:
年利1.0%の複利運用で毎年5万円積立てると、10年後に元利合計はいくらになるか?
資本回収係数
〇年間にわたり一定の金額を支払い/受け取りをした場合、1回の金額がいくらになるか?を計算するための係数です。
使用例:
3,000万円を金利3.0%で借入、10年かけて元利均等返済方式で返済する場合、毎年の返済額はいくらになるか?
減債基金係数
〇年後に目標の金額を達成するためには、毎年の積立金額がいくらになるか?を計算するための係数です。
使用例:
年利3%で10年間複利運用しながら積立てて、1,000万円を貯めるためには、毎年の積立額はいくらになるか?
ライフプランニングの考え方・手法「まとめ」
ライフプランニングの重要なツール、「ライフイベント表」「キャッシュフロー表」「個人バランスシート」については、別記事で作り方についてまとめたいと思います。
6つの係数については、各係数がどのような時価を計算したいときに使用できるのか、しっかりと押さえておきましょう。