2021年3月7日、電子ペーパーデバイスを多数リリースしているBooxから、新機種Boox Nova3 Colorが発表されました。3,4日前から、新端末リリースの情報が公式から小出しされており、ある意味予想道理の端末発表ではありましたが、今回発表された新端末Boox Nova3 Colorと、それに搭載される新ファームV3.1について分かった内容と注目ポイントをまとめます。
Boox Nova3 Colorについて
事前に小出しされていた情報で予想されていた通り、カラーの電子ペーパーを搭載した7.8インチタブレットです。
BOOX Nova3 Color 7.8 ePaper Color Ink
Nova3 Colorのスペック
新端末Nova3 Colorと、全モデルのNova3およびNova2の各スペックを一覧にまとめてみました。
こうやって見ると、今はNova2を買う意味は全くないですね。
Nova3とNova3 Colorを比較してみても、ディスプレイがカラーになった点を除いてはSpec上では全く同じです。
現在Nova3のファームウェアのバージョンはV3.0で、Nova3 ColorはV3.1でリリースされるものと思われるので、リリース直後はNova3 Colorは新ファームの恩恵を真っ先に得ることができそうです。ただ、これも数カ月もせずNova3、Nova2にもリリースされるものと思われ、大したメリットではないと思います。
モデル | Nova3 Color | Nova3 | Nova2 |
ディスプレイ | 7.8″ Eink new Kaleido Screen with AG glass flat cover-lens | 7.8″ HD E Ink Carta Screen with AG glass flat cover-lens | 同左 |
解像度 | (白黒):1404×1872 (300 dpi) (カラー):468×624 (100 dpi) | 1404×1872 (300 dpi) | 同左 |
表示 | 4,096色 | 16階調グレースケール | 同左 |
タッチ方式 | 静電容量式 | 同左 | 同左 |
CPU | Upgraded オクタコア | 同左 | オクタコア |
メモリ | 3GB LPDDR4X | 同左 | 3GB LPDDR3 |
ストレージ | 32GB EMMC | 同左 | 同左 |
バッテリ | 3,150mA | 同左 | 同左 |
WiFi | 2.4GHz + 5GHz | 同左 | 同左 |
Bluetooth | bluetooth 5.0 | 同左 | bluetooth 4.1 |
本体サイズ | 197.3×137×7.7mm | 同左 | 同左 |
重量 | 265g | 同左 | 同左 |
OS | Android 10.0 | 同左 | Android 9.0 |
発売日 | 2021年3月 | 2020年11月 | 2020年5月 |
価格 | $419.99 | $339.99 | 同左 |
私の場合は、現在Nova2を持っているので、Nova3 Colorにすることによりディスプレイの違い以外にも、CPUが無印→Upgraded、メモリがLPDDR3→LPDDR4X、Bluetoothが4.1→5.0、OSが9.0→10.0になる点が変化点となります。あとNova2にはスピーカーがなかったのですが、Nova3以降にはスピーカーもついている点も地味な改善点。
新ファームV3.1について
動画での画面キャプチャ機能
最大で2時間にもわたって動画での画面キャプチャを取得できるようです。また、取得する動画の解像度、画質、フレームレートなどの設定も可能なようです。
Bluetoothでのファイル共有
Bluetoothで直接ファイルを共有できるようです。発表ではBoox端末から別の端末へのファイル送信ができる点が紹介されていましたが、逆(別の端末からBoox端末)へのファイル転送もBluetoothで送信できればだいぶ便利に使えそうです。
サイドジェスチャー機能
画面の左右のエッジ部分(ディスプレイと筐体の境目)を上下にスライドすることで音量やフロントライトの照度を変更することができます。変更できるのは、音量、フロントライト(寒色)、フロントライト(暖色)、コントラストの4項目から2項目を左右に割り当てられます。
ディスプレイコントロール機能
ディスプレイの表示の仕方をより細やかに設定変更できるようになります。カラー端末だけでなく白黒端末でも有効となるようです。
白黒端末の場合
暗いところはより暗く(Dark color enhancement)、薄い色はより薄く(Light color filter)変更することができるようです。コントラスト調整で行うよりもより細やかな変更ができそうです。
カラー端末の場合
カラー端末においては、明暗差(Color Contrast)、彩度(Color Saturation)、明度(Color Brightness)の3項目をそれぞれ個別に調整可能なようです。これらを駆使することで、だいぶ自分好みの画面表示に調整できそうです。
システムの機能
アプリのソート機能
インストール済みのアプリを、名称、時間(おそらくインストール時間)での昇順/降順でのソート、時分での独自の並び順にすることができるようになります。
単語のルックアップ機能
単語などをロングプレスすると端末内の標準辞書からその語を調べることができるようです。システムの機能なので、WebページやPDFファイルを見ている際などにも使用できそうなので、便利かもしれません。
NeoReaderの新機能
ePubオリジナルフォーマットでの描画
ePubオリジナルのフォーマットでの表示ができるようになっているようです。
外部URLへのリンク貼り付けが可能
NeoReaderで表示されている単語に他のPDFファイルやWebページへのリンクを追加することができるようです。
また、PDFに追記したコメントやノートなどをEメールで直接Exportすることができるようです。
読書中に他のファイルを開きやすくなる
NeoReaderでPDFファイル等を読んでいる際に、一度ライブラリに戻ることなく、直接他のPDFファイルなど指定して開くことができるようになるようです。
OCR(文字認識)機能を利用できる
NeoReaderで表示している画像や絵などで描かれている文字をAIを活用して認識させることができるようです。ただし、こちらの機能は1日10回までしか無料でできないようです。なお、Onyxアカウントでログインしていない場合は1日5回までとなります。また、それを超えた場合は有料となるのか、あるいはできないのかは現時点では不明です。(Onyx有料アカウントができて、そのアカウントなら無制限とかになりそうな気がします)
Notesの新機能
線のスタイルの追加
破線や波線、矢印などが追加されるようです。また、カラー端末向けに多くのカラーが選択できるようです。
ホリゾンタルモードの追加
端末を横向きにしたモードが追加されました。従来も横向きにはできましたがその際にはキャンバス(描画できるエリア)も横長になっており、縦横比が変わってしまっていましたが、新ファームでは縦横比を維持したままホリゾンタルに使用できるようです。
音声レコーダーの追加
マイクの音声などを録音しそれをノートに添付することができるようです。ただし、こちらは音声を文字起こししたりする機能ではないので用途は限定的かもしれません。
Noteの一括エクスポート
書き起こしたノートを1つのPDFファイルにまとめて出力することができるようになるようです。
今回のBooxの発表まとめ
今回の発表内容を通して、ファームウェアV3.1は恐らく多くの既存端末にもリリースされると思うので、関係する人が多そうですが、(V3.0の時のレイヤー機能のような)特筆すべき大きな改善はないように思われます。強いて挙げればBluetoothでのファイル転送ができるようになる点でしょうか。Android端末同士であればV3.0でニアバイシェアに対応していたのですが、PCとのfileやり取りなどには使えなかったので。
とにかく今回の目玉は想像通りではあるもののNova3 Colorの発売だと思います。Poke2 Colorに次いで同社2機種目となるカラー端末。Poke2 Colorはすでに公式サイトでは販売されていないようなので、現時点で同社から唯一購入できるカラー端末となります。
白黒端末のNova2を使ってきたところ、サイズ感や読書には適した端末ですが、欲を出してWebサイト閲覧や雑誌の閲覧をするには画像が非常に見にくく、これらの用途ではあまり使えませんでした。プロモーションビデオで表示されていたほど鮮明な発色になるのか懐疑的ではありますが、百聞は一見に如かずということで、少し悩んだ末、発注しておきました。
主にカラーディスプレイの発色や解像度が100DPIしかない点など含め、読書以外の用途での活用を期待しています!
Boox Nova3 Colorは現在、公式サイトで$419.99(私の購入時にはPayPal換算47,524円)で販売中です。(外貨支払いは利用者負担手数料が高いのでPayPal使いたくない。。)
#日本Amazonでも取り扱いが開始されました。
BOOX Nova3 Color 7.8 ePaper Color Ink
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