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2021年から、サラリーマンの節税目的でワンルームマンション投資を続けています。1年目から5年目(2021〜2025年)までの結果を、この記事で1つにまとめました。
先に結論を書くと、5年間の収支は累計で約−78万円です。プラスになったのは1年目だけで、2年目以降は毎年マイナスでした。それでも今のところ、4室とも保有を続けています。
これから節税目的のワンルーム投資を検討している方や、営業の電話を受けて迷っている方の判断材料になればと思います。
5年間の収支まとめ
「出ていったお金」は、毎月の持ち出し・不動産取得税・固定資産税・地震保険・手付金などの合計です。「戻ってきたお金」は、確定申告で戻った所得税と、下がった住民税の合計です。
| 年 | 室数(年末) | 出ていったお金 | 戻ってきたお金 | 年間収支 | 累計 | その年の出来事 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1年目(2021年) | 2室 | 20万円 | 28万円 | +8万円 | +8万円 | 11月に2室で開始。持ち出しは手付金のみ |
| 2年目(2022年) | 3室 | 66万円 | 62万円 | −4万円 | +4万円 | 不動産取得税31万円。1室買い増し |
| 3年目(2023年) | 4室 | 約100.8万円 | 約75.8万円 | 約−25万円 | 約−21万円 | 取得税43.3万円。4室目を買い増し。一部空室 |
| 4年目(2024年) | 4室 | 約71.8万円 | 約47.6万円 | 約−24.2万円 | 約−45.2万円 | 取得税ゼロ。単身赴任終了で年収減 |
| 5年目(2025年) | 4室 | 約71.9万円 | 約39.4万円 | 約−32.5万円 | 約−77.7万円 | 日銀の利上げで利息が約51万円増加 |
| 合計 | 約330.5万円 | 約252.8万円 | 約−77.7万円 |
各年の詳しい内訳は、表の年のリンクから読めます。
始めたきっかけと、営業の提案内容
きっかけは、会社にかかってきた「不動産投資で節税できますよ」という営業電話でした。当時は単身赴任の手当がついて、年収が900万円弱まで上がっていた時期です。
▼始める前の記事:節税のみを目的に不動産投資を始めてみようとしている
営業の提案は、年収890万円を前提に、次のような内容でした。
- 毎月の持ち出し:1万円程度
- 還付される税金:70万円程度
実際には、毎月の持ち出しは1年目の「ほぼトントン」から、5年目には月約3.3万円まで増えました。1年目に戻った所得税は28万円です。提案どおりにはいかなかった理由を、次で整理します。
5年やって分かった、想定と違った3つのこと
1. 節税できる額には上限がある
所得税は、給与から源泉徴収された額より多くは戻ってきません。私の場合、2022年の時点で所得税はほぼ全額戻り、住民税もかなり下がっていました。
そのため、3室目・4室目を買い増しても、節税額はほとんど増えませんでした。増えたのは、不動産取得税と毎月の持ち出しです。「部屋を増やせば節税も増える」わけではない、というのが一番の反省点です。
2. 年収が下がると、節税額も下がる
2024年に単身赴任が終わり、給与収入は965万円(2023年)から855万円に下がりました。源泉徴収される所得税も約48万円から約18.1万円に減り、戻ってくる額もそのまま減りました。
一方で、ローン返済や管理費などの持ち出しは、年収に関係なく出ていきます。営業のシミュレーションは契約時の年収が前提なので、転勤や手当の変化、転職で年収が変わる可能性も考えておく必要があります。
3. 金利が上がると、借金が減らなくなる
2025年は、ローンの利息が前年より約51万円増えました。年末時点では、毎月約40.8万円の返済のうち、約26.1万円(64%)が利息です。
毎月の返済額は変わらないので、手元の持ち出しは増えていません。気づきにくいのですが、その分だけ元本がほとんど減らなくなっています。
日銀はその後も利上げを続け、2026年6月に政策金利を1.0%、9月には1.25%に引き上げました(第一生命経済研究所)。変動金利で借りている以上、6年目以降も利息はさらに増える可能性があります。
ワンルーム投資のリスクとデメリット
5年間で実際に経験したもの、これから起こりうるものをまとめます。
- 買い増すたびに不動産取得税がかかる:取得の翌年あたりに通知が来ます。私は2年目・3年目に計74.3万円を払い、これが収支をマイナスにした大きな原因でした。
- 空室になると、ローン返済がほぼ全額持ち出しになる:家賃収入とローン返済がほぼ同じ額のためです。2023年には一部空室が出ました。
- 赤字のすべてを給与と相殺できるわけではない:土地を取得するための借入金の利子にあたる部分は、損益通算の対象になりません(国税庁 No.1391)。
- 売るときにも税金がかかる:毎年の減価償却で建物の取得費が下がるため、売却益が出やすくなります。所有期間が5年以下か5年超かで税金の計算も変わります(国税庁 No.3202)。
- 住民税は思ったように下がらない年もある:2025年度は所得税が全額戻ったのに、住民税は前年度より大きく増えました。給与明細で実際の天引き額を確認することが大切です。
なお、毎月の持ち出しの一部はローン元本の返済で、すべてが消えるお金ではありません。ただ、それを回収できるかどうかは、売却価格と残りのローンしだいです。
それでも保有を続けている理由
正直に言うと、はっきりした理由があるわけではありません。少し前までは中古マンションの価格が上がっていましたが、最近は落ち着いてきたという話も聞き、今すぐ売る決め手がない、というのが本音です。
実際、東京23区の中古マンション価格(70㎡換算)は、2026年8月時点で3か月続けて下がっています。価格の高騰で売れ残りが増え、値下げの動きが広がりつつあるとも報じられています(共同通信・熊本日日新聞)。ただし、これはファミリー向けの広さを基準にした数字で、投資用ワンルームの相場がそのまま同じ動きをするとは限りません。
もう1つの区切りが、売却時の税金です。物件A・Bは2021年10月に取得したので、2027年1月1日の時点で所有期間が5年を超え、長期譲渡所得の扱いになります。売るかどうかは、この時期も含めて考えるつもりです。
また、生命保険のような役割もあると考えています。ローンには団体信用生命保険(団信)が付いているので、私に万一のことがあればローンの残りはなくなり、物件だけが家族に残ります。ただし、保障される範囲や条件は契約によって違うので、自分の契約内容を確認しておくことが大切です。これから始める方は、すでに入っている生命保険と保障が重ならないかも確認しておくとよいと思います。
これから検討する人が確認したいこと
私が始める前に確認しておけばよかったと思うことです。
- 今の源泉徴収税額はいくらか(戻ってくる所得税の上限になります)
- 年収が100万円下がったら、節税額と持ち出しはどうなるか
- 金利が1〜2%上がったら、毎月の返済の中身(利息と元本)はどう変わるか
- 空室が3か月続いたら、いくら持ち出しになるか
- 取得の翌年に、不動産取得税がいくらかかるか
- 何年後に、いくらで売れる想定か。そのとき残りのローンはいくらか
営業のシミュレーションに、これらの条件が入っているかを見るだけでも、判断がしやすくなると思います。
第三者に相談するという選択肢
振り返ると、私は営業担当者の説明だけで判断してしまいました。販売する側とは別の立場の人に数字を見てもらう、という手もあったと思います。
これから始めるか迷っている方は、物件を売る立場ではないFP(ファイナンシャルプランナー)に、家計全体の中で無理がないかを相談する方法があります。
すでに保有している方は、売るかどうかに関係なく、今いくらで売れるかを知っておくと、残りのローンと比べて判断しやすくなります。私自身はまだ査定を取ったことがありません。物件A・Bが5年を超える区切りを前に、一度査定を取ってみる予定です。結果は別の記事でご報告します。
どちらも、相談や査定をしたからといって、契約や売却をする必要はありません。
まとめ
節税目的で始めたワンルーム投資は、5年間で累計約−78万円になりました。節税額には上限があり、年収や金利の変化で収支は大きく動く、というのが5年間の実感です。
ワンルーム投資そのものを否定するつもりはありませんが、少なくとも私のように「節税だけ」を目的に始めると、思ったようにはいきませんでした。検討している方は、営業のシミュレーションだけでなく、年収が下がった場合や金利が上がった場合の数字も確認してみてください。
6年目(2026年)の結果も、引き続きご報告します。
出典
