JDLA G検定では人工知能の歴史についても問われることがあります。よく出題されるケースとしては、「ILSVRC〇〇年に優勝したモデルは○○である」というようにILSVRC絡みが多いように思いますが、それ以外にも大まかな流れを把握する意味でも時系列に出来事を整理してみます。
第一次AIブーム(1950年代~1960年代)
推論・探索の時代
第一次AIブームの時代は推論や探索で問題を解く時代であった。しかし、これでは迷路やパズルといったトイ・プロブレムしか解くことができず、適用範囲が狭く、ブームは終焉を迎える。
1946年 | 初の汎用コンピュータENIACがペンシルバニア大学にて開発される |
1956年 | ダートマス会議が開かれ、ジョン・マッカーシーにより「人工知能」という言葉が用いられる |
1960年 | エキスパートシステムDENDRALがエドワード・ファイゲンバウム率いる スタンフォード大学にて開発される |
1966年 | ルールベースで実装され、セラピストとして会話するELIZA(人工無能)が ジョセフ・ワイゼンバウムにて開発される |
1969年 | パトリック・ヘイズにより「フレーム問題」が提議される |
1970年 | スタンフォード大学によりMYCINが開発される |
第二次AIブーム(1980年代)
知識の時代
第二次AIブームはエキスパートシステムが登場した。適用範囲は広がったが、知識を明示的に記述する難しさがネックとなりブームは終焉した。
1980年 | ジョン・サールにより「強いAI, 弱いAI」が提議される |
1997年 | IBM DeepBlueがチェスの世界チャンピオンに勝利する |
2006年 | ジェフリー・ヒントンによりAutoencorderが提議される |
第三次AIブーム(2010年~)
機械学習・特徴表現学習の時代
2012年のILSVRCにおいて、ディープラーニングを利用したモデルが従来の認識精度を大幅に上回る精度で優勝したことをきっかけに注目を集め、深層学習(ディープラーニング)の時代ともいえる第三次AIブームが始まった。
近年盛り上がりを見せている人工知能だが、その手法自体は以前から提唱されてきたものも少なくない。ここ数年で急速な盛り上がりを見せているのは、大規模な並列計算処理が可能となったことで、現実的な時間内でモデルを学習させられるようになったことや、インターネットの広がりにより大規模なデータが公開されるようになりデータ収集が容易になったこと、プログラミングを支援するフレームワークが広く普及したことなどが理由として挙げられる。
2011年 | IBMがワトソンを開発 |
2012年 | ILSVRC2012において、AlexNetを用いたSuper Vision(トロント大学:ジェフリー・ヒントン)が優勝 |
2014年 | ILSVRC2014にいて、GoogLeNetが優勝 イアン・グッドフェローによりGANが提議される 日本にAI活用における倫理委員会が構成される |
2015年 | 中国製造2025が策定され、AIの産業活用を促進 |
2016年 | DeepMind社のAlphaGoが囲碁の世界チャンピオンに勝利 |
2017年 | アシロマAI原則が制定される DeepMind社のAlphaGo Zeroが開発される |
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2045年 (?) | レイ・カーツワイルによりシンギュラリティが到来する(と予想される) |
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