必要保障額の算出
万一の時の必要な保証額は下記の式により算出されます。
遺族の支出 ー 遺族の収入=保険で備える金額
遺族の支出とは、末子が大学を卒業するまでの生活費、住居費、教育費などを含めます。また配偶者が平均寿命まで生きていくために必要となる生活費、住居費なども含めます。
一方で、遺族の収入には、遺族年金や配偶者の老齢年金などの公的保障、死亡退職金、預貯金などを含みます。
相続における保険の活用
生命保険の相続対策としては、以下の4つが挙げられます。
相続税納税資金の準備
相続税は、相続が発生してから10か月以内に原則現金で納税する必要があります。流動性の低い資産を相続する場合、その相続税資金を保険で確保することができます。
遺産分割対策
換金性の低い財産が多い場合や、相続人が多い場合、遺産の分割においてトラブルとなりやすくなります。この対策として、代償分割のための資金を準備しておくために保険を活用することができます。
代償分割
相続人が複数いる場合に、1名が財産の大部分を相続する代わりに、自己の財産を代償交付財産として他の相続人に与えること
財産の評価減対策
生命保険や個人年金は、契約の仕方によっては、時価よりも相続税評価を下げることができます。
財産の世代間移転(生前贈与)
相続財産が多い場合、長期にわたって少しずつ贈与したほうが相続税を安くすることができます。贈与された資金を生命保険の保険料に充当することにより、保険金という財産に変えることができます。
生命保険による法人のリスク管理
退職金(役員退職金)
経営者や役員に支給する退職金は支給金額や算出根拠などから判断し、不相当に高額な金額は認められません。役員を被保険者とした場合、役員の死亡時に支払われる死亡保険金を死亡退職金として遺族に支払うことが可能になるほか、生存時に退任する場合には解約返戻金を退職慰労金として活用することができます。