センゴクアラジン「シルバークイーン」使用レビュー

アウトドア

12月に発売されて瞬く間に売り切れ、現在も公式サイトでは売り切れが続いているようですが、あまり評判等を聞かないアラジンのシルバークイーンについて、5回ほどキャンプ場で使ってみたのでそのレビューを共有したいと思います。

センゴクアラジン「シルバークイーン」とは

2020年12月にセンゴクアラジンから、英国アラジン操業100周年を記念して発売された、「ポータブル ガス ストーブ シルバークイーン」のことです。過去に灯油式のモデルがあったようですがそれの復刻・リニューアル版のようで、灯油式からガス缶式となりコンパクト化されています。

開封レビューは以下をご覧ください

シルバークイーンの実戦での使い勝手

購入以来、5回ほどキャンプへ行っていますが毎回使用しております。

1回戦

シルバークイーンのデビュー戦は、12月上旬のキャンプ場です。この時はオープンタープを小川張りし、周りを陣幕ワイドで囲っての利用です。陣幕の張る向きに失敗し、夜間は風が吹き込んでしまうような状況での利用でした。ガス缶には、Joshinで3本350円くらいで売られていたニチネンのガスボンベを使用しました。

その日は、そこそこ風があり、体感的にも寒い日でしたので、日没後からシルバークイーンに火を入れて暖を取り始めました。その効果ですが、ストーブをつけた直後からシルバークイーンの正面にいると、2m程度離れていてもじんわり暖かさを感じられるほどでした。「お、意外とあったかい♪」と思ったのですが、さすがに風がシルバークイーンの正面からあたる状況になると、火力が落ちたり、火が消えてしまうようなケースもありました。

なお、シルバークインには、立消え安全装置がついているので、火が消えると自動でガスを止めてくれるので安心ではあります。いとはいえ、燃焼部の背後に大きな反射板兼防風壁があるので、風向きに注意して、後ろから風を受けるようにすれば、風が多少強くても問題なく使用できました。

ちなみに、シルバークイーンは弱燃焼で7時間ほど持つようですが、実運用上、弱では物足りず、常に強運転でした(強燃焼では、2.5時間程度)

総じて、初回利用での印象は、シルバークイーンの正面で当たっていれば暖かさは感じるが、風が当たるとやっぱり寒い。という感じ。陣幕等で上手に風を遮ることが必須だと感じました。

2回戦

2回戦は1月中旬。この日は小雨が降るものの、寒さは比較的マシ。この日も小川張り+陣幕ワイドの初戦と同じ構成です。使用するガス缶も初戦と同様ニチネンのガスボンベです。

この日は風は穏やかなものの、気温が前回より低めだったようです。風をしのぎつつ、シルバークイーンの正面にて暖を取っていたのですが、今回は30分ほど使用したら、以下のように明らかに火力がダウンしてきて暖かさを感じにくくなりました。ガス缶を使用する火器に共通するドロップダウンという現象のようです。使用するにつれガス缶自体の温度が下がり、ガス缶内の液体が気化しにくくなるため、火力が弱まってしまったと思われます。いったんガス缶を取り出して体温で暖めると一時的には復活するので、原因はドロップダウンで間違いなさそうです。

こうなってしまうと、屋外では暖を感じるのは難しくなります。車内に保管しておいた新しいガス缶に付け替え再着火してその場はしのぎました。新しいガス缶に変えても30分ほどでドロップダウンが発生します。

今回のキャンプを経て、暖房器具に使うガス缶としては、低温になっても気化しやすい寒冷地対応のものが必須と判断しました。

3回戦

3回目の出番の前に、我が家では冬のキャンプ用としてハイランダーのグランピアンを導入しました。

これで、陣幕の張り方を失敗して風をもろに浴びることが防げるようになります。

あと、前回の使用時にドロップダウンを経験したため、センゴクアラジンの推奨するガス缶を使用することにしました。3本で640円程度。前回まで使用していたガス缶の倍ほどします。

雨天ではあるものの、シェルター内での利用となります。従来通り、立ち上がりは早く、着火直後から暖かさを感じられます。さて、30分ほど経過した状況ですが、、結果は同じくドロップダウンの影響で火力が極端に落ちてしまいました。

また、初めてのシェルター内での利用でしたが、シェルター内部を温めるには力不足のようです。そもそも反射式のストーブなので直接的に暖を取るのが正解のようです。

4回戦

4回目は3回戦と全く同じです。グランピアン+アラジン純正ボトルの使用。今回は温度計を導入。シェルター外の温度は3度ほどで、シルバークイーンを強運転させ続けたり、シェルター内で鍋料理をしたりしてシェルター内温度は5度程度という結果でした。5度程度のシェルター内温度でも30分以上継続運転しているとドロップダウンと思われる現象で火力が極端に落ちます。

5回戦

今回は、さらに寒冷地に強そうなガス缶を用意しました。こちらは3本で860円とさらにお高いです。

5回戦は2月上旬。外気温はやはり5度程度でした。シェルター内でイワタニのパワーゴールドを入れてシルバークイーンを強運転します。出だしは好調で、いつも通り非常に直線的な暖かさを感じます。さて、気になる着火30分後の火力。今回は30分後も立ち上げ時同様の火力を維持できました!1時間が経過しても極端な火力ダウンはありませんでした。1時間半ほどしたころでしょうか、ストーブのドームにうっすら暗い部分が出始め、火力が弱くなってきたようです。この日はこれで使用をやめましたが、ガス缶には2,30%程度の残量がありそうでした。

この状態でもシェルター内の温度は外気温+1℃程度でした。シルバークイーンでは、温度計が検出できるほどの大幅な暖めは期待できそうにありません。

センゴクアラジン シルバークイーン使用後のまとめ

さて、5回ほど使用したところでのシルバークイーンの評価をまとめてみます。

カセットガスを用いるため持ち運びや使用が簡単
正面は多少離れていてもしっかり暖かさを感じる
デザインがしゃれてる

本体がお高い(33,000円)
燃費も割高(1本300円弱で2時間弱)
シェルター内を温めるには力不足(そもそも用途が違う)
ガス缶利用のためドロップダウンにより1時間ほどしか強火力が持たない

2,3人やそれ以上のファミリーユースではシルバークイーン単体では力不足だと感じましたが、ピンポイントで暖めることができるので、ソロやデュオでの利用には良い選択肢ではないかと思います。

シェルター内を全体的に暖める用途であれば、(ドロップダウンの影響は不明ですが)対流式のポータブルガスストーブのほうが良さそうに思います。

燃費の観点でいうと、ある程度の価格帯の、低温に強いガス缶を使用する必要性もあるので、余裕があるのであれば石油ストーブなどのほうが、より良いのだと思います。ただ、ガス缶の手軽さも捨てがたいとは思います。我が家は今のところ、手間やメンテの都合で、薪ストーブや石油ストーブの導入はしないことにしているので、シルバークイーンと上手に付き合っていく方法を模索したいと思います。

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